日別アーカイブ: 2026年2月19日

第19回ダクト工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社紀州板金工業、更新担当の中西です。

 

飲食店・食品工場・給食施設など、厨房のある建物で欠かせないのが**厨房ダクト(厨房排気)です。
ただし厨房ダクトは、単なる換気配管ではありません。油煙・熱・臭いを扱い、場合によっては火災リスクや近隣トラブルにも直結する、
“安全と衛生の設備”**です。

だからこそ、BtoBで評価される厨房ダクトは「見た目」ではなく、
運用してから困らない
清掃できる
火災リスクを上げない
この3点に集約されます。


厨房ダクトで起きやすい代表トラブル

現場で多いのは、次のような相談です

  • 油が垂れてくる/天井にシミが出る️

  • 臭いが外に漏れて近隣クレームになる

  • 排気が弱く、厨房が暑い・煙い

  • グリスフィルターやファンがすぐ詰まる

  • 清掃できず、火災が心配

  • フード周辺がベタベタで衛生的に不安

重要なのは、これらが「ファンが弱い」だけで起きるわけではないこと。
多くは、経路・勾配・材質・継手処理・点検口配置・排気口位置など、設計と施工の積み重ねで差が出ます。


1)油が回る設備は“勾配と気密”が命️

厨房排気は油を含みます。
油は冷えると固着してダクト内に溜まり、やがて垂れ・臭い・詰まり・火災リスクにつながります。

そこで押さえるべきは、次の4点です✅

✅(1)経路に無理がないか

  • 曲がりが多い

  • ダクトが長い

  • 狭い天井内で無理に逃げている
    こういう経路は、油の付着が増えやすく、圧損も増えて排気力が落ちます️⬇️

✅(2)適切な勾配が取れているか

油を含む排気は、温度差で**結露・ドレン(油水)**が出ます。
勾配が甘いと、途中で油溜まりができて「ある日突然垂れる」が起きます️

✅(3)継手の気密が確保されているか

継手の処理が甘いと、

  • 天井裏に臭いが回る

  • 油がにじむ

  • 後からシミ・汚れ・腐食が出る
    などのトラブルにつながります‍

✅(4)ドレン(油・水分)の管理ができるか

排気は「空気」だけではなく、油と水分も一緒に運ぶ設備です。
ドレン処理を考えていない設計は、運用で必ず詰みます。

ポイント
施工段階で「収まり優先」にすると、後から必ず運用で苦労します。
厨房ダクトは、“配管として収まる”より**“油が溜まらない形”が正解**です。


2)清掃できないダクトは、時間が経つほど危険になる

厨房ダクトは、極論すると清掃性がすべてです。
どれだけ初期性能が良くても、清掃できなければ油が蓄積し、性能低下と火災リスクが同時に進みます。

✅清掃できない設計の典型例

  • 点検口が無い/少ない

  • 点検口の位置が悪く、届かない

  • 距離が長い/曲がりが多い

  • 天井裏が狭すぎて人が入れない

  • フィルター交換動線が悪く、結局放置される

こうなると、現場では「忙しいから後で…」となり、油が育ちます️➡️➡️

✅清掃性を担保する設計・施工の考え方

  • 点検口は**“必要箇所に、必要サイズで”**配置する

  • 曲がり部・合流部・ファン手前など汚れやすいポイントを狙う

  • フィルター交換や清掃の動線を確保(脚立が置ける、手が入る)

  • 将来の清掃業者が入れる前提で計画する

ポイント
「清掃してください」ではなく、清掃できる設計にする
これがBtoB厨房ダクトの品質です。


3)火災リスクは「油の蓄積」と「熱源の距離」で決まる️

厨房火災の怖いところは、油が溜まった状態で引火すると一気に燃え広がる点です。
つまり、火災対策の本質は

油を溜めない
熱源周りの設計・施工を丁寧にする
点検できる状態を維持する

✅“火”に強いダクトの基本

  • 油が溜まりにくい経路・勾配

  • 漏れにくい(気密)施工

  • 清掃しやすい点検計画

  • 熱・火気周辺の納まりに無理がない

  • ファン周りの点検性・安全性

ポイント
厨房ダクトは「換気設備」でもあり、「防火の設備」でもあります。
油が溜まっている時点で、火災リスクは上がっています


4)臭い・煙のクレームは“排気口の位置”で決まる

厨房ダクトのクレームは、性能だけでなく排気を出す場所で決まることが多いです。

✅クレームが出やすい排気条件

  • 近隣の窓・ベランダが近い

  • 歩道や道路に向けて排気が当たる

  • 建物の凹みに排気が溜まる(回り込み)

  • 自分の給気口に近く、臭いが再吸込みされる

  • 風向きの影響を強く受ける立地

✅対策の考え方

  • 排気口位置・高さ・向きを計画(回り込みを減らす)

  • 必要に応じて脱臭・消臭・処理方式を検討(条件により)

  • 給気との距離や配置もセットで設計(再吸込み防止)️

ポイント
臭い問題は「機械を強くする」より、出し方を正しくするほうが効くケースが多いです。


5)排気が弱い原因は“風量不足”より“圧損過多”が多い

「厨房が煙い」「暑い」=ファンが弱い、と思われがちですが、
実務では 圧損(抵抗)が大きすぎる ことが原因のケースが多いです。

  • 曲がりが多い

  • 途中で細くなる

  • 合流の仕方が悪い

  • ダクト内の汚れで抵抗が増えている

  • フィルターが目詰まりしている

設計段階で圧損の見立てが甘いと、
導入後に「思ったより吸わない」になりがちです‍

ポイント
厨房ダクトは、設計時点で“圧損込み”で成立させるのが鉄則です。


✅チェックリスト:失敗しない厨房ダクト工事の条件✨

発注側(元請け・施主・管理側)が押さえるなら、ここです

  • ✅ 油が溜まりにくい経路・勾配になっている

  • ✅ 継手の気密・漏れ対策が具体的

  • ✅ 点検口の位置と数が“清掃前提”になっている

  • ✅ フィルター交換・清掃の動線が現場で成立する

  • ✅ 排気口位置が近隣・歩道・給気との関係で計画されている

  • ✅ 圧損を見込んだ風量設計になっている

  • ✅ 据付後に試運転・風量確認・調整がある


まとめ:厨房ダクトは「施工して終わり」ではなく「運用が始まり」

厨房ダクトは、開業後に毎日稼働し続ける設備です。
油・火・臭いというリスクを扱う以上、設計・施工でどれだけ**“運用しやすさ”**を作れるかが品質になります。

当社は、厨房ダクトをはじめ、給排気・空調・排煙まで建物用途に合わせて最適化し、
✅ 施工後のトラブルを減らす
✅ 清掃性を担保する
✅ 近隣クレームを出しにくい
工事を徹底しています

新設はもちろん、

  • 既存ダクトの改善(排気弱い/油垂れ/臭い)

  • 入替・改修

  • 清掃性向上(点検口追加等)
    のご相談も可能です

 

 

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